つれづれな雑記帳

大学院での学びや、趣味の読書で感じたこと、生活の中で心に残ったことを書き連ねる雑記帳がわりです。

一番大切な本

 

はじめまして。

 

新年何か新しいことを始めたいと思って考えあぐねた結果、ブログを始めるという行動に出てみました。心の中で感じたことを上手く言葉に表すことがそんなに得意ではないので、その練習もかねて気楽に続けていけたらいいなと思っています。

 

記念すべき初めての記事を何について書くかは意外とすぐに決まりました。

私の一番大切な本である高野悦子さん著の『二十歳の原点についてです。

 

この本との出会いは20歳の誕生日になります。

勤勉で本好きな3歳年上の兄から誕生日プレゼントにもらいました。

 

これだけで結構素敵なエピソードだと思うのですが、この時私は勝手な勘違いをしていました。兄はきっとこの本の内容を踏まえて私に何か学べよというメッセージをくれたとばかり思っていたのですが、後から聞いたところによると、表紙の赤い花が洒落ていたから古本屋でたまたま手にとったとのことです。

内容は全く知らなかったと...結果として私がこの本と出会えたからよしとしよう。

 

内容は学生運動の時代に大学生活を過ごした女性が、青年期のあらゆる悩みに葛藤しながら自殺に至るまでの心境をノートに綴った日記をまとめたものです。

 

初めて読んだ時の衝撃といったら3、4年たった今でも忘れられません。

読了日の日記には「自分の確固たる信念をもて!」と書いてあります(笑)

読み返すとなんとも恥ずかしい…。きっとこれがこの本から私が最も強く受け取ったメッセージだったのでしょう。

ただこの本をきっかけに、勉強との向き合い方を変えてとことんやってみること、本をたくさん読むこと、学生の身分を最大限に生かすよう努力することを心に決めました。

 

そして、自分と同年代の方がここまで自己と向き合い、ここまで苦しみぬいたあげく、自殺という選択肢を選ばざるを得なかったプロセスを、本を読み進めながら足りない頭を駆使して考えてみました。

もちろん答えは出ませんでしたが、あの時間は高野さんの人生を考えると同時に、自分と向き合う時間であったのかなと今振り返って思います。

 

この本の中には高野さん作の詩も数篇載っています。

自殺の直前に遺された「旅に出よう」が一番有名ですよね。

私の一番のお気に入りは、二月四日の日記に載っている「おまえは王様」から始まる一遍です。

 

おまえは王様

何者にも束縛されずに自由に生きる

あぐらをかいて瞑想にふけり

たばこを片手にペンを走らせる

思いはヨーロッパの白い山へ

秘境の国ネパールへ

フランスのカルチェラタン

おまえはこの部屋の王様

何者にも束縛されずに自由に生きる

眼鏡をかけたとて強くなるわけでもなし

誰でもダテの眼鏡であることを見ぬいている

欺したと思って結局己れの滑稽な姿をあらわしているだけだ

眼鏡なんてとりたくなかった

 

 これは本のわりと序盤にでてきます。

自殺に至るまで5ヶ月近くの猶予があります。

この頃は高野さんが様々なことに葛藤しながらも、なんとかあがいていた時期かなと解釈しています。そんな時に書かれたこの詩からは、もがいてもがいてなんとか生きようとしている、強い生へのエネルギーを個人的に感じました。

思いをヨーロッパやネパール、カルチェラタンに飛ばすって本当に素敵なフレーズだと思いませんか。

この部分を読むと一緒に身体はふわふわ~と軽くなるような気もします。

 

感じたことを書いていたらどうやって文章をしめたらいいのかわからなくなったので、そろそろしめたいと思います。

いつかこの本の感想を語り合う機会があればと思いつつ、なかなか実現できていないので、いつかじっくり誰かとお話しできるのが一つ希望としてあります。

私自身はこの本のおかげで色々考え直した面もあるので、同じ感性を持っている人がいたら嬉しいな~と思ったりもします。

興味を持った方はぜひ一度手にとってみてください。

 

書きたいことをだばーっと書きなぐれたので満足しました(笑)

それではおやすみなさい。

 

 

二十歳の原点 (新潮文庫)

二十歳の原点 (新潮文庫)

 

 

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