筒井康隆作品についてすこし
こんばんは。
今日は筒井康隆のいくつかの作品について。
USBを整理していたら去年の読書記録が出てきました。
そういえば去年の今頃は律儀にいちいち記録書いてたなー
その後読書メーターを知って、気に入った作品についてはそちらで感想をかくことにしました。
ああいうのを使うと、他の人からの反応やフィードバックがあるので続けやすいです。
やっぱり何らかの言葉に残そうとすると、作品の内容を何度も反すうするし、同時に頭を使って思考を整理するので、自分の中に残るものが多いですね。
今後も積極的に本の感想はしたためようと思います。
ということで、USBデータを見たら一番上が筒井康隆の『残像に口紅を』だったので、まずは1年前の感想をコピペして見ます。
テレビで紹介されたためか,本屋で目立つところに陳列されていたため買ってみた。どうやらここ一,二ヶ月で数万冊増刷されたらしい。古本屋で探しても無かったのはそのせいか。昨年あたりからSFに片足をつっこんでみたものの,ホーガンなどの外国作家ばかりを読んでいたので日本のSF作家の作品をきちんと読むのははじめてかもしれない。(そういえば星新一は中学生の頃に何冊か読んだか)
この作品は作家である主人公が,虚構と現実のはざまで文字がひとつずつ消えていく世界をどう過ごすかを描いている。作品を読む前には,文字が消えていくことで世界に存在する概念も付随して消えていき,主人公がその孤独の中で何を感じどう動くのかをテーマにしているのだと思った。しかしながら,読了後のはじめの感想としては,ただただ筒井康隆の職人芸ともいえる言葉づかいの巧みさに感嘆するばかりといったところだ。はじめの3分の1あたりまでは,主人公の子どもや町にあふれていた当たり前のものが少しずつ消えてなくなってしまうことの物悲しさなどを感じたものの,後半に入ると,限られた文字の中で,筆者がどのように物語を盛り上げてくれるのかと言うほうに主眼がうつった。途中に入る,情事の場面などは少し理解の範疇をこえていたものの,あれも作中人物の言葉を借りるところの筒井氏の実験的試みのひとつなのだろう。文字が消えていくことの規則的なルールの説明も,厳密な説明がされていて,読者自身がゲームに加わっているような感覚になれる仕掛けであった。これを機に筒井康隆の作品をいくつか読んでみようと思う。
うーん、、、なんだか浅い感想ですが、確かにこのあといくつか筒井作品は齧ってみました。
・旅のラゴス
・パプリカ
・家族八景
・七瀬ふたたび
・エディプスの恋人
・富豪刑事
有名どころばっかりですが、個人的には旅のラゴスがダントツで好きでした。
というかラゴスだけ大分毛色の違う、壮大ファンタジー!という感じ。
「人生は旅である」というメッセージは、我々にとって普遍的で誰が読んでもなるほどなと感じる部分があるような気がします。
七瀬三部作(家族八景、七瀬ふたたび、エディプス)は、スケールの大きいSF作品で、話が進むほどどこまでいっちゃうの~!?と思いました。
家族八景は結構ドロドロで昼ドラを見てる気分にも。
ただ登場人物が超越した力を持っているのに、人間くさいところもあったりしているところが面白かったです。
富豪刑事は設定がぶっとんでいてコメディタッチなので、娯楽小説としてさくさく読めます。
こうやって書いていくと、筒井康隆さんの作風って幅広いと改めて感じます。
わりと作家読みするタイプなので、集中的に短期間で同じ作家さんの作品を読むことが多いのですが、そうそうこの人の本はこうだよねという安心感を感じるパターンと、ええええ多重人格なの~!?というパターンとがあったりします。
筒井さんは私の中では後者寄りです。
ただ少しばかり齧った程度なので深く読めばまた違った魅力が見えてくるのでしょう。
またタイミングを見て集中的に筒井康隆週間を設けようかと思います。